発作の治療と予防
治療の種類
HAEの治療は「発作が起きた時に発作を抑える治療」と「発作が起きないように予防する治療」の2つに大きく分けられます。
発作が起きた時に発作を抑える治療
HAEの診療ガイドラインでは、すべての発作に対して可能な限り早期に治療することが推奨されています。また海外のガイドラインでは、万が一外出先で発作が起きても対応できるように、発作時の治療薬を2回分携帯しておくことも推奨されています。
発作が起きた時の治療
- ブラジキニンの働きを妨げて症状を抑える薬(注射薬・飲み薬)
腫れの原因となる物質であるブラジキニンの作用をブロックし、腫れを鎮めるお薬です。自己注射できる注射薬と飲み薬の2種類があります。 - C1インヒビター(C1-INH)補充療法(注射薬)
医療機関を受診して点滴により薬剤を投与する治療法です。HAE患者さんの体内で不足しているC1インヒビター(C1-INH)というタンパク質を補ってあげる従来からの治療法です。
遺伝性血管性浮腫(Hereditary angioedema:HAE)診療ガイドライン
発作が起きたら、できるだけ早く治療することが腫れや不安を抑えるポイントです。
発作が起きた時の治療では、腫れの原因となるブラジキニンが増えないようにします。
ブラジキニンが増えないようにすると、血管外にしみ出す水分量を抑えられ、時間の経過によって発作がおさまります。



発作時は早めの治療が大切です
発作が起こってから治療に臨むまでが早いほど、「腫れ」の症状が早くおさまるといわれています。


・効果には個人差があります

腫れやむくみが出ている時は、すでに血管から水分がしみ出しています。
そのため、しみ出る水分をできるだけ少なく抑えるには、小さな発作でも我慢せず早めに治療することが大切です。

発作が起きないように予防する治療
発作を予防するための治療は「短期予防」と「長期予防」の2つがあります。
あらかじめ短期的(一時的)に発作を抑える治療(注射薬)
手術などは発作のリスクが高くなります。そのため抜歯などの歯科治療や手術を行う前の6時間以内に薬を注射します。

長期的に発作を抑える治療(飲み薬・注射薬)
定期的に薬を使い続け、発作が起こらない状態を目指す治療です。定期的に服用する飲み薬や注射薬など、さまざまな種類のお薬が開発されています。長期予防治療を始める際は、必ず主治医の指示に従って進めましょう。

HAEの発作は予防を行っていても起こることがあります。発作治療薬をいつも携帯し、発作に備えておくことが大切です。
HAEの治療について不安なことやわからないことがあれば、遠慮せず主治医に相談してみましょう。
発作の症状は、手足やお腹、顔、喉の腫れ、腹痛、下痢など本当にさまざまです。また、発作の程度にも幅があり、いつ起こるか予測できません。
「発作かも?」と感じたら、症状の出る部位や程度に関係なく、すぐに治療を始めましょう。
治療薬を使うタイミングについてあらかじめ主治医と相談して決めておくことも、HAEと安心して生活するための一つの工夫です。

HAE患者さん向けアプリ 近日リリース予定
通院予定やお薬の管理、発作症状の記録などがスマートフォンで簡単に行えるアプリです。設定した通院日や薬を服用する時間になると、通知機能でお知らせしてくれます。また、発作の回数や症状を振り返るためのレポート機能も搭載されており、通院の際により正確な体調の経過を主治医に伝えるのに役立ちます。

監修:
高村 さおり 先生